摘要ノート「資本論」(21)

第八章 労働日

第一節 労働日の限界

商品交換そのものの性質からは、労働日の限界は、従って剰余労働の限界も、出てこない。資本家は、労働日をできるだけ延長してできれば1労働日を2労働日にでもしようとするとき、買い手としての自分の権利を主張するのである。他方、売られた商品の独自な性質には、買い手によるそれの消費にたいする制限が含まれているのであって、労働者は、労働日を一定の正常な長さに制限しようとするとき、売り手としての自分の権利を主張するのである。だから、ここでは一つの二律背反が生ずるのである。つまり、どちらも等しく商品交換の法則によって保証されている権利対権利である。同等な権利と権利とのあいだでは力がことを決する。こういうわけで、資本主義的生産の歴史では、労働日の標準化は、労働日の限界をめぐる闘争-総資本家すなわち資本家階級と総労働者すなわち労働者階級とのあいだの闘争-として現われるのである。
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