摘要ノート「資本論」(20)

第七章 剰余価値率

第一節 労働力の搾取度

C = c + v
C'= c + v + m
C:資本 c:不変資本 v:可変資本  m:剰余価値

可変資本が価値増殖した割合は、明らかに、可変資本にたいする剰余価値の比率によって規定されている。または、m/vで表わされている。
この可変資本の価値増殖の割合、または、剰余価値の比例量を私は剰余価値率と呼ぶのである。

必要労働時間
必要労働
剰余労働時間
剰余労働

この剰余労働が直接生産者から、労働者から取り上げられる形態だけが、いろいろな経済的社会構成体を、たとえば奴隷制の社会を賃労働の社会から、区別するのである。

第二節 生産物の比例配分的諸部分での生産物価値の表示

商品の価値は、商品の生産において生み出された新しい価値と、すでに生産手段のなかにまえから実存していた価値との合計である。ところが、生産物価値の機能的または概念的に異なる諸構成部分は、生産物そのものの比例的諸部分で表わされる。このように生産物―生産過程の成果―が、生産手段にふくまれている労働(不変資本部分)のみをあらわすある分量の生産物と、生産過程で付加された必要労働(可変資本部分)のみをあらわす分量の生産物と、同じ過程で付加された剰余労働(剰余価値)のみをあらわすもう一つの分量の生産物に分裂する。

第三節 シーニアの「最後の1時間」

生産物価値は生産物の比率的諸部分で表わされるということは、誤って理解されやすい。第一に使用価値の生産と価値の生産とが混同される。生産物の使用価値は製造過程でのみ、労働者が労働する時間内にのみ、生産される。しかし価値はそうではない。労働者が生産するのは、生産物の価値の一部分であって、他の部分は生産手段がまえからもっていた価値が移転してきたものである。第二に、我々は剰余価値を労働日の最後の数時間で生産した生産物で表すために、剰余価値がこの最後の数時間で生産されると、誤って考えやすい。

第四節 剰余生産物

剰余価値率が m/(c+v) でなく、m/v であるように、剰余生産物の大きさは、総生産物から剰余生産物を差し引いた残りにたいする剰余生産物の比率によってではなく、必要労働をあらわす生産物部分にたいする剰余生産物の比率によってきまる。富の大きさは、生産物の絶対的大きさによってではなく剰余生産物の相対的大きさによって、はかられる。
必要労働と剰余労働との合計、すなわち労働者が自分の労働力の補填価値と剰余価値とを生産する時限の合計は、彼の労働時間の絶対的な大きさ-1労働日-をなしている。
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