摘要ノート「資本論」(38)

第13章 機械と大工業

第五節 労働者と機械との闘争

19世紀の最初の15年間にイギリスの工業地区で行なわれた機械の大量破壊、ことに蒸気織機を利用したために起きたそれは、ラダイト運動という名のもとに、シドマスやカスルレーなどの反ジャコバン政府に最も反動的な強圧手段をとる口実を与えた。機械をその資本主義的充用から区別し、したがって攻撃の的を物質的生産手段そのものからその社会的利用形態に移すことを労働者がおぼえるまでには、時間と経験とが必要だったのである。

およそ資本主義的生産様式は労働条件にも労働生産物にも労働者にたいして独立化され疎外された姿を与えるのであるが、この姿はこうして機械によって完全な対立に発展するのである。それゆえ、機械とともにはじめて労働者の労働手段にたいする狂暴な反逆が始まるのである。労働手段が労働者を打ち殺すのである。この直接的な対立は、たしかに、新しく採用された機械が伝来の手工業経営やマニュファクチュア経営と競争するたびに最も明瞭に現われる。しかし、大工業そのもののなかでも、絶えず行なわれる機械の改良や自動的体系の発達は同じような作用をする。

第六節 機械によって駆逐される労働者に関する補償説

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