摘要ノート「資本論」(23)

第八章 労働日

第四節 昼間労働と夜間労働 交替制

不変資本、生産手段は、価値増殖過程の立場から見れば、ただ労働を吸収するために、そして労働の一滴ごとにそれ相当の量の剰余労働を吸収するために、存在するだけである。生産手段がそれをしないかぎり、その単なる存在は資本家にとって消極的な損失である。なぜならば、生産手段が休んでいるあいだはそれはむだな資本前貸しを表わしているからである。この損失は、その中断によって作業の再開のための追加支出が必要になれば、積極的となる。自然日の限界を超えて夜間にまで食い込む労働日の延長は、ただ緩和剤として作用するだけであり、労働の生き血を求める吸血鬼の渇きをどうにか鎮めるだけである。だから一日まる24時間の労働をわがものにするということこそ、資本主義的生産の内在的衝動なのである。しかし、同じ労働力が昼も夜も続けて搾取されるというようなことは、肉体的に不可能なので、この肉体的な障害を克服するためには、昼間食いつくされる労働力と夜間食いつくされる労働力の交替が必要になるのである。
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