もし過程 W'-G' が正常な限度を超えて延びるならば、つまり商品資本の貨幣形態への転化が異常に妨げられるならば、あるいはまた、この転化は行なわれても、たとえば貨幣資本が転換されるべき生産手段の価格が循環の始まったときの水準よりも高くなっているならば、そのような場合には、蓄積財源として機能している蓄蔵貨幣を用いてそれに貨幣資本またはその一部分の代わりをさせることができる。このようにして、貨幣蓄積財源は、循環の攪乱を調整するための準備金として役だつのである。このような準備金としての蓄積財源は、循環P…Pで考察された購買・支払手段の財源とは違うものである。購買・支払手段は、機能している貨幣資本の一成分(したがって過程にはいっている資本価値一般の一部分の存在形態)であって、ただこの貨幣資本の諸部分が別々の時期に次々に機能を始めて行くだけである。生産過程が続いているあいだは絶えず準備貨幣資本が形成される。・・・これに反して、準備金は機能している資本の、詳しく言えば貨幣資本の、一成分ではなく、蓄積される前の段階にある資本の、まだ能動的な資本に転化していない剰余価値の、一成分なのである。とはいえ、資本家もせっぱつまれば自分の手にある貨幣の特定の機能などにはおかまいなく、もっているだけのものを使って自分の資本の循環過程を進行させようとするのは、まったく自明なことである。