摘要ノート「資本論Ⅱ」(21)

第二篇 資本の回転

第十五章 回転期間が資本前貸の大きさに及ぼす影響

およそ回転の機構については少しも明らかなことを示していない経済学者たちは、いつでも、この重要な契機を見落としている。すなわち、生産が中断なく進行するためには、実際に生産過程で働いているのはいつでも産業資本の一部分でしかありえないということを見落としている。一つの部分が生産期間にあるときにはいつでも他の部分は流通期間になければならない。言い換えれば、一方の部分が生産資本として機能することは、他の部分が商品資本または貨幣資本の形態で本来の生産から引きあげられているという条件のもとでしかできないのである。このことが見落とされるならば、総じて貨幣資本の意義も役割も見落とされてしまうのである。

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