いま の基底 と の基底 を勝手にひとつずつ取ってきて、これらの基底に関する線形写像 の表現行列を と表すことにする。
そこでさらに の基底を
すると、もともとの基底と新しい基底の間の関係は、適当な正則行列 を用いて
……(1)
……(2)
というように表わすことができる。
そこで問題は、「新番地割り」のもとでの表現行列 は「旧番地割り」のもとでの表現行列 と「基底変換の行列」 を用いてどのように表せるか、ということになる。ところで、線形写像 の表現行列を求めるには
(イ) の基底の元の行き先 の「番地」を求める。
(⇒これらの「番地」を並べたものが表現行列 になる)
(ロ) 基底{ }を用いた「番地割り」、 のもとで
(⇒このとき
という2つの方法を考えることができる。
先ずは、(イ)の方法で考えてみよう。
いま の基底{}を用いた「旧番地割り」のもとで に割り振られる「旧番地」を
すると、「旧番地割り」のもとでの表現行列 とは、これらの「旧番地」を並べてできる行列だから
……(3)
というように表わされる。ところで
……(4)
したがって、(3)(4)式より「旧番地割り」のもとでの表現行列とは
……(5)
となるような3行2列の行列 のことであると考えることができる。全く同様に、「新番地割り」のもとでの表現行列とは
……(6)
となるような3行2列の行列 のことであると考えることができる。したがって、いま問題は、「基底の間の関係式(1),(2)式と(5)式より(6)式が成り立つような3行2列の行列 を求めよ」ということ。すなわち、(1),(2),(5)式から、 を消去して の間の関係式を導きなさい、ということになる。
そこで まず(1)式 における を に「化かす」ことを考えてみる。いま と表わすことにすると、(1)式より
……(7)
そこで(7)式の両辺に線形写像 を施してみると
……(8)
行列の積で表わすと
……(9)
こうして(1)式における における を に「化かす」ことができたから、後は(2)(5)(9)式から を消去して の間の関係式を導きなさい、ということになる。いま(9)式に(5)式を代入すると
……(10)
ところで、 は正則行列であることに注意して、(2)式の両辺に右から を掛け算してみると
……(11)
よって(11)式を(10)式に代入することで
……(12)
したがって、(6)式(12)式より
……(13)
となることが分かる。次に(ロ)という方法にもとづいて考察してみよう。
まず の元 に割り振られる「旧番地」と「新番地」の間の関係について考えてみる。
いま の基底{ }を用いた「旧番地割り」のもとで に割り振られる「旧番地」を
……(14)
と表わすことができる。ところで、 が正則行列であることに注意して(1)式の両辺に右から を掛け算してみると
……(15)
そこで(15)式を(14)式に代入することで
……(16)
一方、 の「新番地」は同様に
……(17)
と表わすことができる。そこで(16)式と(17)式を見比べてみると
……(18)
となることが分かる。また(18)式の両辺に左から を掛け算することで
……(19)
となることも分かる。以上から、もともとの基底{ }と新しく取り替えた基底{ }の間に
……(20
……(21)
という関係があることが分かる。そこで問題は、上の「旧番地」と「新番地」の間の関係公式を用いて「新番地割り」のもとでの表現行列 が、「旧番地割り」のもとでの表現行列 と基底変換の行列 を用いてどのように表わされるのか、ということになる。
いま「新番地割り」のもとで、
……(22)
となる。ここで に対応する「旧番地」を
……(23)
したがって、(22)式を(23)式に代入することで
……(24)
となる。さらに線形空間 に対して(20)式の変換公式を適用すると に対応する「旧番地」と「新番地」の間には
……(25)
という関係がある。よって(24)式を(25)式に代入することで に対応する「新番地」は
……(26)
したがって(26)式から「新番地割り」のもとでの表現行列 は
……(27)
となることが分かる。以上 の場合で、(イ)(ロ)の方法にもとづいて考察してきたが、より一般に として