いま。2行2列の行列に値をもつ関数である行列値関数
が
勝手にひとつ与えられた、として、この関数を微分することを考えてみよう。
このとき、一変数
に対する
という微分(係数)の定義式は、
に置き換えても、そのままの形で意味を持つということ、に注意する。
すなわち、
となることが分かる。
全く同様に考えると、一般に m 行 n 列の行列に値を持つ関数
に対して、その微分は、それぞれの行列成分を微分することに他ならないということが分かるから、
という式によって与えられる、ということが分かる。
また、
を一変数行列値関数、B を定数行列として、
が
というような計算ができることが分かる。
すると、例えば、 として
というような計算ができる。
次に、「積の微分則」を見てみよう。
いま、
を、それぞれ、
列の行列に値を持つ関数、
列の行列に値を持つ関数として、
列の行列に値を持つ関数
の行列成分を
ところで、上の式の右辺の第一項、第二項は、それぞれ行列値関数 の i 行 k 列成分に等しいことに注意すると、
すなわち、行列値関数の微分においても「積の微分則」が成り立つ、ことが分かる。